守る側も手をこまねいてはいない
守るテクノロジーの進化
自動車のテクノロジー進化に一切遅れを取ること無く、盗みのテクニックが日々進歩する一方、我々守る側のプロフェッショナルも指を咥えて見ているワケではありません。彼らの最先端の盗み方を知った上で、さらにひとつ先の防御策を練ります。
当店でセキュリティを取り付ける際はあなたのクルマ&駐車環境のウイークポイントと対策方法をしっかりお伝えします。車上荒らしやパーツ泥棒については、侵入やジャッキアップなどのアクションがあったら発砲(サイレンを鳴らしたりリモコンへ通知したり)することで防ぎます。これはセンサーの性能頼りというのが正直なところ。敏感すぎては失砲(盗まれる以外の強風やトラックの通過などで発砲すること)の原因となりますし、鈍感であればいざガラスを割られたり、ドアをこじ開けられても反応しない。
セキュリティは基本的に誤作動しません。
この辺り、少し解説させていただきますね。ショックセンサーや傾斜センサーは一定以上の衝撃や傾斜を感知して反応するように作られていますので、検知→発砲の流れは正常な動きです。盗難による衝撃を検知した場合は問題ないのですが、盗難以外でも同等の衝撃が与えられるシチュエーションがどうしても発生します。その入力によりセンサーが反応して発砲することを「失砲」と言います。これはいわゆる「誤砲・誤作動」とは全く違います。反応させようと設定した衝撃や傾斜が発生していないのにサイレンが鳴ってしまうことを「誤作動」と言います。製品の精度が低くて設定以下の衝撃で「誤作動」した、無駄な配線からノイズが発生して鳴ってしまった、などの症状です。
施工屋としてはこの「誤作動」は絶対に許されないので、ゼロを目指していますし、経験上ほぼゼロと言えるレベルに達しています。しかし、地震などで衝撃が発生した場合は盗まれていなくてもサイレンは鳴りますので、その「失砲」についてはご理解いただきたいです。よくセキュリティを使ったことがない方に「誤作動が心配なんですけど…」と言われるのですが、自分が選んだ製品と施工&セッティングで「誤作動」はほぼありませんのでご安心ください。
ハイエースなどワンボックスやミニバンは守るのが難しい。
箱が大きいハイエースともなると、ボンネット近辺からリアゲートまで危ない箇所だらけなのです。これを全域カバーできて、かつ安定して反応するショックセンサーは今のところ一つだけかなと思います。
それはアンパイアのショックセンサーです。これは車両一カ所に設置するだけで、トランクやリアゲートの衝撃まで正確に反応してくれます。これならセンサー近くは過敏、遠くは鈍感になりにくいので重宝しています。これまで大手DEI社のセンサーも数々試し、二段階の設定も散々トライしてきましたが、これには全然適わないというのが現状です。
セキュリティが仕事なのか趣味なのか…。
自分はセキュリティの取り付けが仕事ですが、セキュリティ集めが趣味というところもありまして(笑)。
古いビンテージとも言えるようなクリフォードから、リモコンの形が面白いというだけで海外から取り寄せたマイナーな製品もコレクションしていたりします。あらゆるセンサーやサイレン、アンテナ、リモコンなどを見てきました。そして、それらの進化の過程も全て追ってきました。多くを見て、試した結果、ユーザーさんに一番適したシステムを組めるのです。
ひとつのメーカーのディーラーだから、それしか使わないというのでは、最適なシステムを作れないケースも出てきます。もちろん一つのブランドを深く掘り下げることは大切ですが、選択肢は多いほどメリットがあると思います。
深く広く。ワークスが蓄積してきたデータは膨大です。次回はワークス流の守り方を、少しだけお話します。